自動車用鉛バッテリーのリサイクル・廃棄フローモデルを作成し, インターネットアンケート調査から退蔵バッテリー残存率関数を定め, 静脈フローを推定した。補修用バッテリー販売時の廃バッテリー回収率は, ガソリンスタンド・整備業では10割に近く, カーショップで約8割, ホームセンターで約5割, 平均回収率は85%で, 約230万個/年が未回収と推定された。不要となった後も家庭内で保管 (退蔵) されるバッテリーのストック数は約500万個, 平均滞留年数は約2.2年と推定された。これらの結果と統計等を元に推定した2003年度の不要バッテリーのリサイクル率は, 精錬業で原料利用した国内再生率84%, 国内解体率87% (解体後に得られる巣鉛の輸出を含む) , 中古バッテリー輸出を含む国内回収率89%であった。残る11%は, 中古車上の車載輸出 (約5%) , 焼却・埋立, 不法投棄, 退蔵純増に至ると推定された。