都市ごみ焼却灰の溶融固化処理は, 埋め立て処分場の負荷低減ならびに有害物の無害化・安定化に対して有力な手法として現在技術開発が積極的に行われている。
本研究は, プラズマを加熱源とする出力300kWの実証設備を用いて, 各種焼却灰の溶融特性を求めることを目的としている。プラズマ法の特徴には, 超高温度が容易に得られることおよび熱効率が高いことなどがあげられる。溶融の供試灰は, 流動床炉およびストーカ炉からの飛灰と焼却灰を用いた。そして, それぞれの灰を単独で溶融する場合と, 飛灰と焼却灰を混合して溶融する場合について比較した。その結果, 事前に行った灰の熱重量測定結果と運転から得られるスラグ化率とが比較的良く対応すること, および灰成分のプラズマでの高温溶融時の挙動を把握することができた。溶融運転から得られたプラズマ法による溶融の熱効率は, 従来の燃焼法より高く約50%であった。また, 都市ガスによる排ガス無触媒脱硝を実施し, 脱硝率90%以上を得た。