抄録
マウス脳内のミクログリアを混合グリア培養細胞と組織切片を用いて各種の抗体染色を行なった。抗体は単球-マクロファージ(Mφ)に発現するMac-1、F4/80抗原を認識する抗体と骨髄の幼若細胞のみに発現するER-MP抗原を認識する抗体を使用した。正常マウス混合グリア培養での染色の結果、Mac-1、F4/80陽性細胞とは別にER-MP陽性細胞の存在が新たに確認され、また組織切片においても同様であった。脳以外の組織Mφ ではER-MP陽性細胞は存在しなかった。単球-Mφ 系の細胞がほとんど見られないop/opマウスの脳組織では、Mac-1、F4/80陽性のミクログリアはほとんど見られないが、ERMP陽性細胞は正常マウスとほぼ同程度存在した。以上より、脳に存在するミクログリアは少なくとも2種類の異なるサブタイプからなり、このうちER-MP陽性のものは血流中の単球には由来しない細胞であると考えられた。