組織培養研究
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培養細胞系でのマイコプラズマのPCR検出法
高田 容子増井 徹田辺 秀之原澤 亮水澤 博
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2000 年 19 巻 3 号 p. 131-138

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抄録

マイコプラズマの汚染を迅速・正確に検出することを目的に、ネステッドプライマーを用いた2段階のPCR法(ネステッドPCR法)を利用した検出系を開発した。2段階のPCRは検出感度を高めると同時に、1段階目のPCRの特異性を確認できる利点がある。陽性コントロールとしてMycoplasmaorale DNAを用い、テンプレートDNA濃度3~10fg/μl(1反応あたり2-6コピー)が検出限界であることが明らかになった。更に、PCR法で増幅されたDNAを回収し、塩基配列を決定した結果、細胞に感染しているマイコプラズマ菌種を確実に同定することができた。この一連の方法の開発により、培養細胞に汚染しているマイコプラズマの検出感度、迅速性、また、信頼性を高め、細胞バンクの品質管理を向上させることが可能となった。

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© 日本組織培養学会
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