1995 年 20 巻 SupplementII 号 p. 165-169
Montirelinの夾雑物, 分解物であるCNK-603ならびに代謝産物であるCNK-6004のマウスを用いた静脈内単回投与毒性試験を実施し, 以下の成績を得た。 1. CNK-603では雌雄ともに125 mg/kg以上の投与群で死亡が認められ, 概略の致死量は, 雌雄ともに125 mg/kgであった。CNK-6004では死亡は認められず, 致死量は雌雄ともに2,000 mg/kg以上であった。2. 一般状態として, CNK-603では投与中ない し投与直後より振戦, 自発運動の減少および腹臥位が認められ, 死亡動物は呼吸困難を呈し死亡した。CNK-6004では投与後一過性の自発運動の減少が認められた。3. 体重の推移では, CNK-603およびCNK-6004ともに特に記すべき変動は認められなかった。4. 病理解剖学的検査では, CNK-603の死亡例で肺の充出血が認められた。CNK-603の生存例およびCNK-6004の投与群全例では, ともに著明な変化は認められなかった。Montirelinと比較した致死毒性は, マウスの静脈内単回投与毒性試験において, CNK-603は4倍以上強く, CNK-6004は弱いものであった。(試験期間 : 1994年1月14日~1994年4月25日)