The Journal of Toxicological Sciences
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MONTIRELIN HYDRATE (NS-3)のラットにおける26週間反復静脈内投与毒性試験ならびに9週間回復試験
古川 茂典西田 伊久男菊森 幹人谷口 雄三西森 司雄石橋 成太良岩倉 啓子鷲見 信好
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1995 年 20 巻 SupplementII 号 p. 191-213

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抄録

Montirelinの0, 0.0004, 0.02, 1および50 mg/kg をSlc : SD系ラットに26週間反復静脈内投与し, さらに0, 1および50 mg/kg投与群については9週間回復試験を実施して, 以下の成績を得た。1. 一般臨床検査では, 投与中から投与直後にかけての全身性の振戦ならびに投与後一過性の多尿が50 mg/kg投与群で観察された。体重の増加抑制および摂水量の増加が1 mg/kg以上の投与群で, 摂餌量の減少がこれらの投与群の雄で認められた。被験物質投与に起因したと考えられる死亡はみられず, 眼科的検査においても特に記すべき変化は認められなかった。2. 尿検査および血液学的検査では, 特に記すべき変化は認められなかった。3. 血液化学的検査では, TCの減少が50 mg/kg投与群で, PLの減少が同群の雌で, TGの減少が1 mg/kg以上の投与群の雄で認められた。4. 病理学的検査では, 顎下腺において重量増加ならびに漿液細胞の肥大が1 mg/kg以上の投与群で観察された。甲状腺重量の増加が0.02 mg/kg以上の投与群で認められた。5. 回復期間終了時には, 上述した変化のうち摂餌量の減少が50 mg/kg投与群の雄で認められたのみであり, その他の変化については休薬により良好な回復性が確認された。以上の結果, 0.02 mg/kg投与群では甲状腺重量の増加が認められたものの, ごく軽度な変化であり, 病理組織学的にも甲状腺に被験物質投与に起因したと考えられる変化は何ら認められなかったことから, 本試験における無毒性量は, 0.02mg/kgであると推察された。(試験期間 : 1989年4月26日~1990年9月25日)

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