住宅総合研究財団研究論文集
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旧住吉村の住宅地開発とその特徴
日本の近代萌芽期における郊外住宅地
山本 ゆかり萬谷 治子加藤 拓郎
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ジャーナル オープンアクセス

2005 年 31 巻 p. 91-102

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抄録

 旧住吉村は,明治末期頃の阿部元太郎による宅地開発事業で郊外住宅地の萌芽をみせたとされる。本研究は,旧住吉村の郊外住宅地形成過程と旧住吉村が郊外住宅地形成で果たした役割を考察したものである。その結果,旧住吉村は1900(明治33)年からはじまる実業家達の急激な土地取得により,郊外住宅地として萌芽をみせたと理解することができた。また,旧住吉村のコミュニティ施設は,すべて住民により計画され,村の中心部に集中することなく配された。コミュニティ施設設置の際旧住吉村は,出来るだけ村有地を無償提供した。旧住吉村は村有地をはじめとする村有財産を管理・運営することにより,住環境の整備に貢献したことが明らかになった。

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© 2005 一般財団法人 住総研
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