抄録
近年日本においてオフィスから住宅へのコンバージョンが注目されてきているが,事業者が空室の穴埋めとして行っているものがほとんどであり,短期間に都市の魅力を向上させるという本来のメリットを全く活かしきれていない。そこで本研究では,「急速かつ大規模に都心の魅力向上を図る手法」としてコンバージョンを位置づけ,このエリア戦略としてのコンバージョンを“Area Conversion”と定義した。構成は,まず東京のコンバージョンの現状を整理した後,問題提起を行った。次にArea Conversionで大成功を修めたニューヨークの事例を調査し,その成功要因を分析した。そして最後に最近日本でも動き始めたArea Conversionへの歩みを紹介した後,織舌として新宿御苑,日本橋地区でのケーススタディを通じて今後の東京におけるArea Conversionのあり方を提言した。