獣医情報科学雑誌
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子馬 (サラブレッド種) の体重に基づく成長パターンの3点法を用いたRichards Growth Modelによる推定
秋元 博一
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1994 年 1994 巻 32 号 p. 23-28

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抄録

本研究では, サラブレッド種における30日令~450日令の子馬の成長パターンを把握するために, Richards growth model式を性別, ならびに産次別にあてはめ, その適合性とともに3点法の実用性を検討した。3点法における3点の測定データを選択するに当っては, 測定期間を前期, 中期, 後期にわけ, それぞれ1点計3点を抽出した。また, 日令の組合せは6種類とした。
なお, Richardsの成長モデル式中のshape parameter“m”値は, 0から2.0まで0.1間隔に設定した。
1) 3点法による成長モデル式の推定において, 最高の決定係数 (R2) の値は雄, 雌ともに, また産次別においても98%以上であって, きわめて高い適合性がみられた。したがって, 3点法によるRichards growth model式による推定が有効であると考えられた。
2) 最も高いR2値を得たshape parameter“m”値は, 性別ならびに産次別のすべてにおいて0であり, 子馬の体重の成長は変曲点のない成長パターンと考えられた。
3) 産次別の成長については, 5~6産次の子馬の体重は各日令において最も大であって, 以後産次を経るごとに, 平均体重は減少の傾向がみられた。

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