抄録
本研究ではニワトリ (大和肉鶏) の成長パターンを明らかにするために, Richards成長曲線モデルの当てはめによる解析を行うとともに, モデル式推定のための3点法と最小自乗法の比較, 適合度判定のための決定係数 (R2) と適合係数 (R*2) の比較を併せ行った。
3点法では6種類の週齢の組合せを設定し, shape parameter m値を0~2.0まで0.1間隔に設定して, それぞれの曲線モデル式を推定した。3点法と最小自乗法によって推定した理論曲線の適合性の判定には, R2と新たにR*2によって行った。
(1) 大和肉鶏の体重成長は, 雄, 雌ともにGompertzからLogistic曲線への移行型で, ロードアイランドレッド種や白色レグホーン種とほぼ同じ成長パターンを示した。
(2) 3点法ならびに最小自乗法によるRichards成長曲線モデル式推定において, 最も高いR2値は雄, 雌ともに99%以上であり, 3点法は最小自乗法とともに高い適合性がみられた。
(3) 実測値と推定値の適合性の判定には, 一般的にはR2が用いられているが, これとR*2を比較した結果0~2.0までのどのm値においても, R*2値がR2値より大であった。この結果は雄, 雌のいずれにおいても認められた。