中央獸醫學雑誌
Online ISSN : 1883-9088
ISSN-L : 1883-9088
動物消化管内に於ける酵素作用に關する研究
I.人及び家畜の唾液に就て
松岡 富治
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1937 年 50 巻 10 号 p. 657-670

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抄録
(1) 人の唾液には比較的多くのAmylaseを含有す。
(2) 人の唾液は局方Diastaseに比し約1/22の效力を有し.乾物量を比較すれば約10倍の效力を有す。
(3) 人の唾液は採集日に依り可なり差あり。
(4) 人の唾液は年齢,性等に依り殆んど差を示さゞるが如し。
(5) 馬の唾液にはAmylaseを殆んど含有せざるが如く.人の含量の2.8/10000の效力あり。
(6) 馬の唾液Amylaseの力を促進すべき物質を見出せるも實驗中なり。
(7) 牛の唾液中にはAmylase含量少く.他の酵素は人,馬と相似たり。
(8) 豚の唾液にもAmylaseは少きが如く食前食後にはAmylaseの含量に差あるものの如し。
(9) 犬,猫の唾液にはAmylase可成り多く含存せらるるを見たり。
(10) モルモツト,鼠の如き小動物には多くのAmylaseを含有せる事を知れり。
(11) 山羊の唾液は羊の唾液に近くAmylaseの含量も多からざる事を見たり。
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