日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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骨格筋の機能に関する筋電図学的研究 : VI. 神経筋単位の放電間隔時系列の性質 其の1. 動物のτ^^--S曲線
野村 晋一宍戸 弘明増村 陽子
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1958 年 20 巻 1 号 p. 13-18

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抄録
1. にわとり, うさぎ, やぎ, いぬを静止, 駐立せしめ, 駐立する地盤に平坦, 前, 後傾斜, またはシーソー運動などの粂件づけを行つて, 体の各部に配置された骨格筋から単一 NMUの持続した放電を誘導記録し, 方式にし,たがつてτ^^--S曲線を求めた. 2. 賦課した駐立条件の差を考慮しながら, 算出されたτ^^--S曲線の特徴について説明を加えた. 3. 錐体路の未発達なにわとり, うさぎ, やぎの曲線は水平部分と上昇部分の区別ができないので, 条件づけの如何にかかわらず駐立姿勢の維持は皮質運動領以外の神経機構の活動によつて行われ, 錐体路のよく発達したいぬでは駐立しにくい条件を与えることによつて運動領の神経機構の活動を強めるかまたは運動領の活動の影響を強くうけているNMUを表出せしめることができると判断した. いぬのτ^^--S曲線では人と同様に水平部分と上昇部分を区別して筋電図の解釈を行つてよいと考える.
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