日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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鶏の体内糖類の消長に関する実験的研究 : IV. クロールプロマジン投与鶏における血糖, 血中乳酸, 肝グリコーゲンおよび筋グリコーゲンに対する寒冷の影響
中谷 洋一五島 治郎
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1964 年 26 巻 1 号 p. 1-6

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抄録
70~90日令の白色レグホン種の雄に, 寒冷を付与するとともに, クロールプロマジン(CPZと略す)を20mg/kg静脉内に注射し, 血糖, 血中乳酸, 肝グリコーゲンおよび筋グリコーゲンを測定した. その結果は, 次のとおりである. 1) 18時間飢餓鶏を保定し, 寒冷を付与するとともにCPZを投与すると, 60分以内に一過性過血糖が起こるが, その後, 血糖は減少した. 加温によって体温の正常値への回復を図ると, 血糖もまた上昇回復する傾向を示した. この際, 戦慄は全く起こらなかった. 2) 正常鶏に寒冷を付与するとともにCPZを投与すると, 血糖は30分で増加し, 肝グリコーゲンは次第に減少した. 血中乳酸は30分で増加し, 筋グリコーゲンは30分で減少した. 本研究を遂行するにあたり, 終始, 鞭達および助言を賜わった東京大学教授大久保義夫先生に深く感謝申し上げる.
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