臨床的に異常のない5例の緬羊の末梢血液から得た無顆粒球を,電子顕微鏡を用いて観察し,リンパ球,単球および形質細胞様細胞の三種に分類した.リンパ球を,さらに定型的リンパ球および異型リンパ球の二種に細分した.定型的リンパ球は,細胞の大部分を占める円形または卵円形の核,大きな糸粒体,ごく少数の滑面および粗面小胞体,および発達不良のゴルジー装置の存在をその特徴とする.異型リンパ球は,発達した小管状の粗面小胞体を有するほかは,定型的リンパ球の特徴と一致する.単球は,桿状,馬蹄形または不整形の核と,よ《発達した滑面小胞体および多数の糸粒体の存在する細胞質を有する.粗面小胞体の発達が著明で,細胞質の大部分を占め,その内腔が不整に拡大した嚢状構造を示す無顆粒球を,形質細胞様細胞として分類した.