1972 年 34 巻 5 号 p. 283-287_3
口蹄疫ワクチンを乳牛に接種した後,特定の皮膚にアレルギー性膿庖が形成されることを観察した.膿庖は鼻鏡,頚部および外陰部皮膚に発好した.組織学的には有鯨層において変化が始まり,ワクチン接種後2週ごろに膿庖を肉眼的に確認し得た.膿庖は漸次手掌大の融合性膨疹に至るものもあった.数週間後,表皮層の増殖によって外皮の肥厚を見るが,のち大部分は自然治癒する.しかし局所の汚染による二次感染の結果,切迫屠殺に及んだ例もあった.本観察は1968年3月,ニュルンベルク近郊においてなされたものである.