日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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鶏血漿中 F-GOT の酵素作用の性質について : I. F-GOT 反応における基質濃度と反応速度との関係
山田 一彦
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1976 年 38 巻 1 号 p. 59-64

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抄録
鶏血漿中 F-GOT 反応の Lineweaver-Burk (L-B) プロットから求められた, 系上の基質(Sub.)成分 α-Ketoglutarate (KG) および L-Aspartate (Asp) の見掛けの Michaelis 定数(Km)は, それぞれ0.72±0.03 mM および7.19±0.28 mM で, 基質 α-KG による最大反応速度 (Vmax) は (2.00±0.08)×10-2 mM であった. これらの Km-Vmax 関係によって表わされた, 当該基質成分の F-GOT に対する親和性の程度は, L-Asp より α-KG においてはるかに高く, その過剰量を含む "Excess Sub." によって, 当該反応は, 一次から零次への反応移行期においては双曲線型の活性傾向を示すのに対して, シグモイド型曲線で表わされる活性阻害の傾向を見せた. その場合の抑制物質定数(K'i)は, (1.78±0.07)×10-5 であった. また, これらの関係は, 本 F-GOTが, α-KG および L-AsP を特異的な基質としてとる Michaelis-Menten (M-M) 型酵素であることを示しており, このことは, 基質濃度と零時の反応速度 (Vi) との関係から作図して得た M-M および L-B プロット上の反応型式からも立証された.
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