日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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インドネシアの牛におけるアルボウイルスの抗体調査
三浦 康男稲葉 右二津田 知幸徳久 修一佐藤 邦彦明石 博臣松本 稔
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1982 年 44 巻 6 号 p. 857-863

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抄録
インドネシアのジャワ島およびバリ島で1979年採取した牛血清について, 34種のアルボウイルスの抗体調査を行った. アルファウイルスおよびフラビウイルス属のウイルスについては赤血球凝集抑制 (HI) 試験, 他のウイルスについては中和 (NT) 試験を行った. アルファウイルス属のウイルスでは, Getah ウイルスに対する HI 抗体が一例のみ検出され, Chikungunya および西部馬脳炎ウイルスの抗体は検出されなかった. フラビウイルス属のウイルスでは, 日本脳炎, Stratford および Kokobera ウイルスに対する抗体の検出率は36~54%であった. ブニヤウイルス属の Aino, Akabane, Tinaroo, Peaton, Ilesha, Batai, Kairi, Kowanyama および Belmont ウイルスの NT 抗体検出率は30%以上であった. オルビウイルス属の Ibaraki, Mitchell River, Warrego ウイルス, bluetongue の1型お上び20型ウイルスの抗体検出率は40%以上であった. また, 牛流行熱ウイルスの抗体検出率は79%であった. 以上のように, 多くのアルボウイスがインドネシアの牛に広く伝播していることが明らかにされた.
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