1983 年 45 巻 6 号 p. 799-802
空気調節を行った吸血昆虫不在の隔離畜房内で牛白血病ウイルス(BLV)の接触伝播実験を実施した. 3頭および5頭の子牛をそれぞれ一畜房内に飼育した, 各群の1頭および2頭にBLV感染牛リンパ球を接種した. これらの実験感染牛は接種後4ないし12日の間に無細胞ウイルス血症を示したが, ウイルス血症は血中に中和抗体が出現した後に検出されなくなった. しかし, 接種後4~5日以降観察期間中, 末梢血リンパ球からは, ウイルスが検出された. これら3頭の感染牛と同居した5頭中1頭は実験開始後89日目に抗BLV抗体陽性となったが, 他の4頭は1年間の観期察間中抗体陰性であった.