12週齢の雄ラット (SHR/NCrj) に12週間高脂肪飼料を与え, 動脈硬化症の発現に対するビタミンD2負荷の影響を臨床および病理学的に観察した。ビタミンD2を負荷したラットの血圧は負荷しない例より高値であった。ビタミンD2負荷の有無にかかわらず, 高脂肪飼料給与ラットの血清総コレステロール値およびβ-リポプロテイン値は普通飼料給与対照ラットの約3倍であった。ビタミンD2負荷ラットの大動脈では結合組織と平滑筋の増殖からなる内膜の巣状肥厚, および石灰化を伴った顕著な中膜硬化がみとめられ, 腸間膜動脈では粘液多糖類および脂質の沈着と平滑筋の増殖による内膜・中膜の顕著な不規則肥厚がみとめられ, 一部には結節性汎動脈炎が観察された。