抄録
Staphylococcus hyicus subsp. hyicus No.111株のプロテアーゼを硫安塩析, 冷アセトン没澱, DEAEセルロース・クロマトグラフィーおよびセファデックスG-75・ゲルろ過によって精製した. この方法によって, プロテアーゼは474.1倍に精製され, その回収率は34.9%であった. この精製標品の純度はポリアクリルアミドゲル電気泳動, 寒天ゲル内沈降反応および免疫電気泳動によって証明された. このプロテアーゼは中性のpHで最も活性を示し, その活性はCu, Ag, Fe, Hgイオンで阻止されたが, Caイオンでは, わずかに促進された. また, このプロテアーゼはシステイン, 2メルカプトエタノールおよびチオグリコール酸ナトリウムなどの還元剤によって活性化されず, EDTAによって阻止された. 精製プロテアーゼの分子量はSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって32,000と測定された.