日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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豚扁桃からのブドウ球菌の分離とファージ型別
清水 晃河野 潤一寺西 永葉杖 真二藤波 哲也木村 重杉原 一三
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1987 年 49 巻 4 号 p. 703-709

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抄録
1986年4~6月に, 1と畜場に搬入された豚126頭の扁桃からブドウ球菌の分離を試みるとともに, 分離菌のファージ型について調べた。全例から菌が分離されたが, 分離頻度の最も高かった菌種はS. hyicus subsp. hyicus 92.9%, ついでS. aureus 57.1%, S. hominis 40.5%, S. simulans 22.2%, S. epidermidis 3.2%, S. xylosus 2.4%, S. haemolyticus 1.6%, S. hyicus subsp. chromogenes 0.8%の順であり, ノボビオシン耐性の菌種はまれであった。同定不能菌株は10例7.9%から分離された。104例 (82.5%) の同一扁桃からは2~5種類のブドウ球菌が同時に分離され, 他の22例 (17.5%) では1菌種のみが生息していた。菌種の組み合せで最も多くみられたのは, S. hyicus subsp. hyicusとS. aureus (他菌種との共存を含める) のそれで, 全検索例の約53%を占めた。分離菌種の主要ファージ型は, S. hyicus subsp. hyicusではS9, S13, S9/S188, S9/S39/S188, S. aureusでは3A/3C, 3Cであり, コアグラーゼ陰性ブドウ球菌では多彩なファージ型を示した。以上から, 鼻粘膜や皮膚とともに扁桃もS. hyicus subsp. hyicusおよびS. aureusの重要な生息部位であることが明らかにされた。
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