1988 年 50 巻 3 号 p. 654-658
正常分娩したホルスタイン種経産牛7頭について, 分娩前及び分娩経過中の末梢血中エストロン(E1), エストラジオール-17β(E2)及びプロジェステロン(P)濃度をラジオイムノアッセイ法により測定した. E1値は分娩前4週までは155pg/ml以下であったが, その後次第に上昇し, 分娩日には最高値2781Pg/mlを示した. 分娩経過中は変動がなく, 分娩翌日には197pg/mlに低下した. E2値はE1値の約10~21%であったが, その分泌動態はE1値に並行していた. 分娩前2日までP値は3.71ng/mlであったが, 分娩前日には2.52ng/mlに低下し, 分娩日にはさらに0.75ng/mlに低下し, 分娩経過中から分娩翌日にかけては変動がなかった.