日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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乳酸桿菌(LC-9018)の抗腫瘍効果 :インターフェロンおよびマクロファージ活性化因子のin vivoにおける産生について
桑原 正人小坂 俊文田中 茂男池田 忠生林 圭子小出 英興
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1988 年 50 巻 3 号 p. 665-672

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抄録

マウスの移植腫瘍に対して抗腫瘍効果を示す乳酸菌Lactobacillus casei YIT9018 (LC-9018)の免疫機能に及ぼす作用機構について検討を行った。マウスにLC-9018を腹腔内投与後24~48時間には, 主としてγ型と推定されるインターフェロン(IFN)が血中に検出され, 48~96時間にはマクロファージ活性化因子(MAF)が検出された. LC-9018の連続投与により脾マクロファージの高い細胞障害活性が長時間維持され, この効果は組換型マウスIFN-γとほぼ同様であった. Meth Aを移植したマウスにLC-9018を投与すると, 腫瘍の増殖は抑制され, 非投与の担ガンマウスに比べ数倍のマクロファージ活性が維持された. 以上から, LC-9018の抗腫瘍効果ではIFN, MAFなどCytokineの誘発が重要と考えられた.

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