1988 年 50 巻 3 号 p. 809-813
1975~1984年の10年間に, イヌの剖検例中42例およびネコの剖検例中47例がそれぞれリンパ系および骨髄系腫瘍と診断され,それぞれイヌの腫瘍例272例中の15.4%およびネコの腫瘍例930例中の50.5%に相当した. 臨床生検例ではイヌ31例お上びネコ9例がそれぞれリンパ系および骨髄系腫瘍と診断され, イヌ腫瘍例930例中の3.33%およびネコ腫瘍例106例中の8.49%に相当した. これらの大部分は主として多中心型のリンパ肉腫であった. イヌではShetland sheepdogおよびBoxer種で発生率が高く, イヌ, ネコともに性差はなかった. 好発年齢はイヌで4~5歳と8歳, ネコでは1~3歳および8歳であった.