抄録
北海道のヒツジを対象にChlamydia psittaciの分離と補体結合(CF)反応による抗体調査を行った. ヒツジ血清212例中74例(34.9%)がCF抗体陽性であった. 見かけ上健康なヒツジの糞便からC. psittaciの分離を試みたところ, 1986年3月に収集した材料では8例中3例, 6月に収集したものでは16例中7例から分離された. これらのうち2頭のヒツジからは3月と6月の両方で分離された. 以上の結果から, C. psittaciは北海道のヒツジの間に広く蔓延し長期間糞中に排泄されていることが示された.