抄録
下垂体-生殖腺系の機能に及ほすビタミンA欠乏の影響について, 下垂体前葉ホルモン及びテストステロン濃度を放射免疫法で測定し, 下垂体前葉の細胞学的変化を免疫細胞化学的方法と画像解析法を用いて検討した. VADラットは9週以後発育が停止し, 血中レチノール及びテストステロン含量が著しく減少し, 精細管は著しく退萎した. 血中GH, LH含量はやや減少したがFSH含量は有意に増加した. 下垂体前葉では, GH細胞は減少したが, FSH及びLH細胞は増数, 肥大した. このことは下垂体前葉細胞の変化やFSHの分泌の増加は精巣の退化に対する二次的変化を示すものと思われる.