日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
Online ISSN : 1881-1442
Print ISSN : 0021-5295
ISSN-L : 0021-5295
ブタエンテロウイルスの血清型およびCPE型分類と酵素抗体染色法による分類との関係ならびに酵素抗体染色法によるCPEの観察
本多 英一渡辺 郁夫岡崎 克則熊谷 哲夫
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 52 巻 4 号 p. 795-800

詳細
抄録
酵素抗体染色法を用いてその反応結果とすでに知られているブタエンテロウイルスの血清型, CPE型との関係を調べた. 3つのCPE型の特徴は酵素抗体染色法によっても明らかに区別できた. ウイルス特異抗原をCPE出現より早く検出できた. 交差試験を行なった結果酵素抗体染色法では一般に高い抗体価(1:6,400から1:25,600)が得られることがわかった. 特に中和抗体価が低いCPE II型(1:200)およびCPE III型(1:400)においても高い値が得られた. 同一のCPE型を示す血清型のブタエンテロウイルスの間では高い交差性がみられたが, 異なるCPE型のウイルス間ではほとんど交差性はみられなかった. CPE型では反応にばらつきがみられた. 酵素抗体染色法の結果は血清型との関連よりもCPE型との関連が強かった. このように酵素抗体染色法はブタエンテロウイルスを分類する一つの手段となることが示された.
著者関連情報
© 社団法人 日本獣医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top