抄録
酵素抗体染色法を用いてその反応結果とすでに知られているブタエンテロウイルスの血清型, CPE型との関係を調べた. 3つのCPE型の特徴は酵素抗体染色法によっても明らかに区別できた. ウイルス特異抗原をCPE出現より早く検出できた. 交差試験を行なった結果酵素抗体染色法では一般に高い抗体価(1:6,400から1:25,600)が得られることがわかった. 特に中和抗体価が低いCPE II型(1:200)およびCPE III型(1:400)においても高い値が得られた. 同一のCPE型を示す血清型のブタエンテロウイルスの間では高い交差性がみられたが, 異なるCPE型のウイルス間ではほとんど交差性はみられなかった. CPE型では反応にばらつきがみられた. 酵素抗体染色法の結果は血清型との関連よりもCPE型との関連が強かった. このように酵素抗体染色法はブタエンテロウイルスを分類する一つの手段となることが示された.