1990 年 52 巻 4 号 p. 839-841
豚伝染性胃腸炎(TGE)ウイルスTO-163株によって低pH条件下でIB-RS-2細胞に細胞融合がみられた. 本ウイルスを細胞に接種し24時間ないし36時間後培地をpH5.2, 5.7, 6.5, 7.0に調整したMEMと交換し10時間後, pH5.7の培地で108個と多くの細胞融合がみられた. pHが上昇するに従いその数は減少した. その融合細胞はTGEウイルスの抗血清によって特異的な蛍光像を発した. このことはTGEウイルスで初めてみられた現象でTGEウイルスの性状を調べる一つの手段となる.