抄録
肥育素牛として日本に導入され, 約10-15カ月間新潟県において飼育された, オーストラリア産マレーグレイ(Murray Grey)種牛25頭について Sarcocystisを検索したところ全例で心筋に多数の sarcocystが検出され, Sarcocystisによる高汚染が明らかになった. HE染色標本の光顕的観察およびSEMによる観察で薄いcyst wallに包まれた多数のバナナ形の bradyzoiteが認められ, これらの形態的特徴から検出された原虫は S. cruziと考えられる.