真空
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コンプレッションシール (SFシール) に就いて
伊藤 嘉規木ノ切 恭治城 英孝圷 繁
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1970 年 13 巻 4 号 p. 123-126

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抄録
超高真空が金属製装置で今日の様に容易に得られるようになつたのは, 超高真空用ポンプおよび測定器が発達した他に, 信頼性の高いメタルガスケットシールが用いられるようになったことが, 大きな原因の一つ段考えることもできる.超高真空用メタルガスケットシールに就いては, 過去いろいろな方法が考案されてきたが, メタルガスケットシール自体が, 金属製超高真空装置の重要な基幹部分となるので, 信頼性, 簡便性, および経済性といった条件を満足したシール方法でなければならない.我国でも, 超高真空用フランジ, およびガスヶット段して, 市販されているが, それぞれ一長一短あり, 定着したものになっていないのが実情である.
メタルガスケットシール (主として, フランジシールを考える) での理想的な条件としては,
1. くり返しの加熱, 冷却サイクルに耐えすこと.
2. 締付力が小さく, 取扱いが容易であること.
3. フランジ, およびガスケットの加工が容易で, 量産性に富むこと.
4. シール部分の傷がつき難く, たとえ傷が入ってもシールに影響ないか, あるいは容易に補修できること.
5. 同一ガスケットのくり返し使用が可能であること.
6. フランジには, 雌雄の性別がなく, 互換性があること.
などが挙げられるが, これらの条件全てを, 充分に満足するシール方法は今まで得られなかった.筆者の属する会社で, 最近, 上記条件をほぼ満足させ, しかもシールとしては最も一般的で単純な, コンプレッションシール型のメタルガスケットフランジを開発し, “SFフランジ” なる商品名で規格化したので紹介する.
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