風力エネルギー
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風と風車の羽根との相互関係
板羽根に付着する氷片の飛散
大亀 衛小坂 智小原 敏弘
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1987 年 11 巻 2 号 p. 38-46

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抄録

風車の向きが変化する場合とそれが定まっている場合について, 風車の羽根に付着する氷片の飛散の様子が調べられている。中心角の小さい板羽根が使用されている。この板羽根はエネルギーを最も多く取り出すように削除されており, その形は扇形か扇の紙形である。
先ず, 氷片の運動方程式が求められている。氷片に作用している抵抗力の大きさは空気に対する氷片の速さの2乗に比例するものとし, 羽根の後流が考慮されている。
次に, 氷片の運動方程式が数値計算によって解かれている。風速や風車の高さや氷片の大きさや羽根の傾きの変化による氷片の飛散領域の変動が調べられている。一般に, この飛散領域の面積は羽根の傾きと風速に大きく影響し, 羽根の高さと氷片の大きさによる影響は小さい。更に, 計算は氷片の落下密度に及んでいる。同じ落下領域でも, この落下密度は場所によって異なっている。
しかしながら, 氷片の受ける抵抗力を求めるときに使用した羽根の後流の速度は空気の粘性を無視し羽根の後流の不連続線の形を近似して求められている。

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