1.私は駒井博士の行われた猫の毛色のセンサスと同じ方法で埼玉県所沢附近でセンサスを行い毛色の遺伝関係を調べた。このセンサスで集計された猫の数は276匹(雄140,雌136)である。
2.集計された猫について計算した性比は100:100で人為的選択の要因はみられなかつた。
3.毛色特に茶の因子が伴性因子によるとの仮説のもとに計算すると駒井博士の結果とよく一致する。又茶の因子頻度は24.56でかなり少い。
4.この猫の毛色のセンサスの結果は茶の伴性因子であるという推定によく合うものになつたが,同時に黒と雉とでは雌雄の数に大差なく,その常染色体性のものであることを示している。