山階鳥類研究所研究報告
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森林原野性鳥類のラインセンサス法の研究
III.観察者条件と記録率
由井 正敏
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1980 年 12 巻 1 号 p. 7-13

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抄録

1.ラインセンサス法の研究の第III報として,観察者条件と記録率の関係について,未発表の資料の解析検討結果を報告するとともに,従来の資料と合わせて,観察者条件の基準化に関する考察を行なった。
2.滝沢と旭川で得たセンサス記録では,視聴力が普通で熟練した観察者間で,鳥種別優占度構成に有意差は認められなかった(Table 1)。これは富士の結果と同じである。
3.鳥種別記録率を観察者間で比較した結果,有意差はほとんど認められなかったものの,大半の鳥種で同じ傾向の差違を示していた(Table 2)。
4.様々の条件を基準化して,筆者とそれ以外の観察者の記録率レベルを比較した(Table 3)。視聴力が普通で熟練した観察者では平均して90±10(%)に収まっていた。
5.観察者能力を基準化するためには各観察者の記録率レベルの測定がもっとも望ましい。ただし10%程度の誤差が許容されるなら,他の観察者条件が整えば,記録率レベルの測定は不要と考えられる。

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