山階鳥類研究所研究報告
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ツバメの生態(第3報)
金井 郁夫
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1960 年 2 巻 14 号 p. 30-40

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抄録

1.渡来の先発は3月中旬で,本隊が4月上旬である。早いのは3月16日に来た。
2.営巣は4月中旬がピークで,早いのは3月31日に始めた。営巣率は8%で。営巣日数は8日である。屋外営巣が多く,古巣利用は60%である。営巣作業は午前中に多く働き,新巣程熱心である。
3.産卵のピークは4月下旬で,早いのは4月8日に産み始めた。産卵数は3~7で,平均5。1回目の方がやや多い。
4.産卵は1日1箇で,午前5時~7時の間に産む。
5.卵の長径は21cm,短径は15cm,重さは1.4gである。
6.孵化のピークは5月下旬である。抱卵日数は1回目が14日,2回目が12日で,平均孵化数は4.7である。
7.給餌回数は午前中1時間の平均が32回,午後は27回である。
8.雛の体重は孵化後3日目5g,7日目12.5g,9日目16.7g,15日目19.4gである。親の体重は約18gである。
9.巣立ちは6月中旬がピークで,早いのに5月20日がある。晴天の午前10時~12時に親がリードして出る。平均巣立数は4.5である。成育日数は1回目,2回目とも21日である。産卵初日から巣立ちまでは1回目が39日,2回目が36日である。
10.被害率は27%である(産卵数に対して)。
11.バンド法による帰来状況は親が9.1%,雛が1.4%である。

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