山階鳥類研究所研究報告
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セキセイインコのボーカリゼーションにおける時間的パターン
藤原 宏子奥村 浩
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1992 年 24 巻 1 号 p. 18-31

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抄録
1.一定時間内に発せられる鳴き声について4つの時間的パラメーターを測定することにより,セキセイインコの音声の特徴を明らかにすることを試みた。
2.セキセイインコの音声にはthe warble state (WS)とthe chedelee state (CS)の2つの主要なstateがある。WS,CSともに時間的パラメーターで表される時間的パターンがみられた。
3.さらにこれらの鳥(♂3羽,♀2羽)が模倣学習を行うように,毎日3音節の日本語単語が呈示された。その結果1羽の♀を除いて全ての鳥が模倣学習を行った。
4.また模倣音はすべてWSのelementとして発せられた。このことはWSではelementの周波数の特徴は必須ではないことを示唆している。従ってWSにおいてelementの周波数の特徴は付加的な機能を果たしてはいるものの,WSが機能する上では時間的パターンが必須であると思われる。
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