抄録
近年,国内外で都市の3次元デジタルツインに関する研究・開発・実証実験が進められている.しかし,こういった都市の3次元デジタルツインが実運用されている例は非常に少ない.その理由として,現状では都市の3次元デジタルツインのB/Cが低いことが原因であると考えられる.しかし,3次元の豊富なデータをもとに可視化や連携,解析が出来る3次元デジタルツインは,将来的には社会に大きく貢献できると考えられ,そのB/Cを高めることで実装を進めていくべきである.筆者はB/Cを高めるためには,増加した情報量を適切に扱うことが可能なデータドリブンアプローチ,特にAI技術の研究開発が重要であると考えている.そこで本稿では,都市の3次元デジタルツインを有意義に利活用するためのAI 技術について,特に橋梁の3次元モデルの観点を中心として,現状および今後の展望を述べることとする.