2025 年 41 巻 p. 79-89
河川堤防等の地盤構造物の耐震性能を評価するために,繰返しせん断を受けた土のせん断剛性の低下具合を考慮した地震時残留変形解析が一般的に行われている.その解析では液状化後のせん断剛性低下と液状化強度の関係が液状化安全率を表すFL値を介して一義的に表された,推奨のせん断剛性低下傾向が用いられている.しかしながら,塑性を有する種々の土に対する推奨値の適用性についてはさらに検討が必要と思われる.本研究では,まず種々の土に対しても繰返し載荷によるせん断剛性低下特性を一律の方法で求めるための新たな方法を提案した.次に,豊浦砂にDLクレーとベントナイトを種々の割合で混合した再構成試料を用いて繰返し中空ねじり試験を行い,繰返しせん断により低下したせん断剛性の低下傾向を調べた.その結果,細粒分含有率が40%以上と高く,非塑性または塑性の低い試料を除くと,推奨値の場合と同様のせん断剛性低下傾向またはそれに近い傾向が得られた.また,近似傾向にあった後者のケースでも繰返し載荷におけるせん断ひずみの値を7.5%から15%に大きくすると推奨値の傾向と一致するようになった.さらに,以上の実験結果に加えて,繰返し載荷によるせん断剛性の低下傾向に関する実験結果をまとめた.