家畜の管理
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搾乳牛の粗飼料採食量と採食行動 1.放牧時の採食行動と放牧方式および草地状態との関連
角谷 泰史成 慶一斎藤 均田中 進諸岡 敏生近藤 誠司大久保 正彦朝日田 康司
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1989 年 24 巻 3 号 p. 83-88

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抄録

4群の搾乳牛群を用いて, 放牧時の採食量および採食行動と放牧方式ならびに草地状態との関連について検討した。用いた搾乳牛群は, 粗飼料多給群のR, R1,R2群および粗飼料中給群のC群であった。放牧方式は, R群ではストリップ放牧, R1,R2およびC群では3日単位の輪換放牧であり, 放牧時間は, R, R1群では朝夕それぞれ2.5時間, R2,C群では朝2.5時間であった。得られた結果は以下の通りである。1)1回の放牧当りの採食時間は, ストリップ放牧のR群に比べ輪換放牧のR1,R2,C群で長く, RおよびR1群では朝の放牧時に比べタの放牧時に長かった。2)1回の放牧当りのbite数は採食時間と同様の傾向にあったが, 観察間の変動は大きかった。3)放牧方式および朝夕の違いによるbite速度, 採食速度およびbite sizeの違いは見られなかった。4)採食量と採食速度およびbite sizeとの間にはそれぞれ直線的な関係(r=0.94および0.84,P<0.01)が見られたが, 採食時間およびbite数との間には見られなかった。5)bite sizeと草量との間には草量が200gDM/m^2の時にbite sizeがピークとなる曲線的な関係(R=0.64,P<0.01)が見られたが, 放牧地草中のCWC含量との間にはこのような有意な関係は見られなかった。6)bite数と草量および放牧地草中のCWC含量との間には, 朝の放牧時には有意な負の相関が認められた(r=-0.57および-0.49,P<0.01)が, タの放牧時には認められなかった。

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© 1989 日本家畜管理学会
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