化学教育
Online ISSN : 2432-6542
環境汚染物質の生体影響 (IV) : 有機塩素系化合物
山根 靖弘
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1979 年 27 巻 6 号 p. 434-438

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抄録

以上のように幾つかの問題点を提供したが, 今後開発される農薬は, 病害虫を殺すという目的を果した後は, 環境中から速かに分解, 消失するものを選ぶことが必要である。また, 広範囲の害虫に効果のある農薬から, 選択的な農薬を選ぶことも必要であろう。農薬も化学物質も, 今後開発されるものは, 環境中にて易分解性のもの, 生物濃縮がおこらないものに焦点をあてる必要があることはもちろんであるが, さらに毒性の面で, 急性, 慢性の一般毒性のほか, 催奇形性や発がん性など十分に検討すべきである。また, 製品の純度も考慮の上, その不純物のもつ毒性もあわせて検討することが, 将来の環境汚染に対処する方法といえよう。

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© 1979 公益社団法人日本化学会
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