化学教育
Online ISSN : 2432-6542
精神活動と薬(<特集>医薬品を考える)
植木 昭和
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1983 年 31 巻 2 号 p. 112-116

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抄録
精神機能が脳の働きであることを疑う人は今日ではほとんどいないであろう。しかし精神活動が化学物質によって著明に変化することが信じられ, 本格的な科学研究の対象になってきたのは1950年代以降のことである。それは精神機能に特異的な作用を及ぼす薬物の発見が契機となった。100億以上の脳細胞の緊密な情報連絡によって営まれる脳の働きには数多くの機能があるが, 他の機能にはほとんど影響なしに, 知, 情, 意というような精神活動だけを選択的に変化させる薬物, それを向精神薬という。ここでは向精神薬の発見から主要な精神疾患の治療薬の進歩まで眺めることによって, 薬の意義や精神活動の脳機構解明の発展などを考えてみたい。
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© 1983 公益社団法人日本化学会
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