開発工学
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MOTを用いた企業での技術知識の活用例
岩本 隆志
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2006 年 24 巻 p. 49-59

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抄録

ITの進歩と経済のグローバル化が進み, 情報や知識の活用が企業の競争力を大きく左右する知識社会に移り変わりつつある。このため, ITの果たす役割は企業戦略の実現やビジネスモデルの変革へと拡大し, 企業に求められる役割も大きく変化している。こうした経営環境の変化に適応していくためには, 経営の視点と技術の本質の両方を理解して, ビジネス全体をマネジメントする技術経営 (MOT: Management of Technology) の発想が求められており, 技術知識が中核的な資産となる企業においては知識経営が重要となる。また, 市場での競争構造は企業グループによる競合に変わり, グループ経営の視点で知識の創造と移転を促進する環境を構築することで知的生産性を向上させ, 競争力と企業価値を高めることが必要である。こうした中, A企業グループは, 機能集約と事業分社化によるグループ再編, ナレッジセンターや組織横断の技術委員会の設立, ナレッジと人材のポートフォリオの再構築など, 技術と経営の両面から技術知識を活用するための様々な取り組みを進めていり、今回A企業の取り組みに対して考察し、今後の方向性について検討する。

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