1950 年 14 巻 4 号 p. 148-153
空氣の減濕並びに冷水操作に於ける空氣の状態變化を知ることは,その機構を理解する上に於ても,またこれらの裝置の設計々算或いはその操作條件の選定を誤りなく行うためにも甚だ重要である。減濕操作に於ける空氣の状態變化については,既にKeevil及びLewisによつて研究されているが,しかし彼等の得た結果も僅かにその定性的傾向を與えているにすぎない。筆者はこの場合の空氣の状態變化を濕度圖表上に求める方法として,同一圖表上に施されたエンタルピ目盛を仲介とする近似的圖解方法を提案し,且つ同樣の方法により冷水操作に於ける空氣の状態變化を求めて,冷水塔に於ける空氣の温度變化に關する考察の一端を述べ,併せてこれらの場合に於ける温度差,濕度差並びにエンタルピに基く移動單位數の計算法を示した。