抄録
時局は益々化学機械技術者を要求してやまない。本会は夙にその重要性に鑑み,既に一昨年2月及び5月の二回に渉つて東京座談会を開き,「将来の化学工業技術家養成」に就て論議を重ね,殊に第2回に於ては大学専門学校に化学工学講座設置が叫ばれ,その教授内容の検討に迄も及んだ。本会は更に其後も或は講演会に或は会誌上に,常に世人の注意を喚起し来つたものであるが,機今や熟して本年4月,東京工大及び京都帝大に夫々化学工学科,化学機械科の創設せられるに至つたことは,独り本会として欣快にたへざるのみならず,斯界の為延いては邦家の為実に慶賀にたへない次第である。
早速,両科主任教授内田俊一,亀井三郎両博士を聘し,3月16日大阪市今橋大阪倶楽部に於て座談会を開催して両創設学科の教育方針を聴き,進んで在来学科との比較・新学科に対する意見希望等を開陳論談すること数刻,極めて有意義に終りを告げた。本会は両創設学科に対し茲に祝賀の意を表すると共に,その円満なる発達と斯界への絶大なる寄与とを切望期待してやまないものである。(編輯)
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