化石
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ナウマン (1854-1927) の古生物学講義
矢島 道子
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1998 年 64 巻 p. 36-42

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抄録

ナウマンの講義ノートから, 日本における古生物学の最初の講義は, ほぼチッテルの古生物学を紹介したといえよう.小藤も原田豊吉もミュンヘンで直接チッテルに教えをこうている.日本の古生物学の搖籃期は, よく言われているようにチッテルおよびドイツ学派によって育てられてきた.evolutionについては強烈な反対説ではないが, ドイツ学派の目を通したevolutionの概念の導入が, 日本に定着したと言えよう.私自身はまだチッテルの教科書をきちんと読んでいないが, 日本の多くの簡単な古生物学入門書には, チッテルの古生物学教科書や地質学史・古生物学史の内容が, 今でも, 引用を明記しないで書かれていることがあることもわかってきた.

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© 1998 日本古生物学会
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