火山.第2集
Online ISSN : 2433-0590
ISSN-L : 0453-4360
中新世の海底火山 : 北海道南十勝の歴舟火山岩類
山岸 宏光河内 晋平後藤 芳彦宮坂 省吾小板橋 重和
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1989 年 34 巻 4 号 p. 251-261

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抄録

北海道南十勝の歴舟川において,中期中新世の玄武岩と安山岩からなる海底火山が見いだされた.それはpillow lava, hyaloclastic breccia, massive lava, pseudo-pillow lavaなどからなる.pillow lavaはシリカに富む安山岩質で径30-50cmのpillow lobeからなり,表面にはspreading crackやcontraction crackなどが見られる.hyaloclastic brecciaにはpillow lavaの上位岩相をなすpillow fragment brecciaと,玄武岩質のfeeder dykeのin situ brecciationによるangular fragment brecciaとが認められる.massive lavaは玄武岩質で,内部は柱状節理の発達した粗粒岩相からなり,周縁部は細粒でpeperiteを伴う.pseudo-pillow lavaは安山岩質で,径数10cmから数mの多面体に分割されたmassiveなlavaである.以上の火山岩類は直接する浅海成堆積物との関係から,全体として一つの小型海底火山を形成していたらしい.

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© 1989 特定非営利活動法人日本火山学会
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