1 .1kmメッシュ気象データと生育予測式を用いて,「にこまる」と「ヒノヒカリ」の好適移植期間の長さ(日数)と時期をマップとして視覚化した.作成したマップからは,高温登熟障害や低温登熟障害により品質が低下する確率(危険度)の大きさを1kmメッシュ単位で読み取ることができる.2 .作成した適地マップは,長崎県内の各地域において生産者や関係機関の指導者が,品種転換や移植時期などを決断する際の判断材料となりうる.3 .長崎県においては,近年夏季の気温の変動が大きいことから,「ヒノヒカリ」は高温耐性品種への転換を,「にこまる」では遅植えの是正を指導してきたが,作成したマッ プはその指導効果を高め,長崎県における米の安定生産と生産者の所得向上に寄与することが期待できる.