地方自治体の現場においては人口減や高齢化によって地域課題が噴出する一方で、税収減によって恒常的に予算や人員削減が迫られ、従来の住民サービスの維持が喫緊の課題である。産業分野における DX 投資は直接的には雇用の代替効果として労働生産性の上昇に結びつくが、自治体の DX 投資によって当該分野の業務効率化(人員削減)が進めばその分野に従事していた人員を住民サービスの維持・向上に回すことが可能になる。そこで、日本政府・自治体における DX の流れを確認した上で、地方自治体(市町村)に対して DX 化の効果についての定量的把握を行うことを意図して行った「自治体 DX 効果推計のためのアンケート」の集計結果から、地方自治体における DX 投資の経済効果を主に業務コストの削減の側面から推計する。