結核
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看護学生における繰り返しツベルクリン反応
在学3年間の変動
重藤 えり子前田 晃宏大岩 寛横崎 恭之村上 功
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2002 年 77 巻 10 号 p. 659-664

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抄録

看護学生における3年間のツベルクリン反応の推移の観察, 特に入学時と卒業時の反応の比較を行い, 医療従事者の結核感染診断のために勧められている二段階ツベルクリン反応検査の意義と感染診断のための基準を検討した。入学時二段階法の基礎値からの変動の平均はわずかであった。一方入学時に1回のみの検査では卒業時に反応の増大がみられ, そのばらつきも大きかった。BCG接種を行った者では, 接種後の反応からの減弱がみられた。発病者を除いた二段階法実施者における検査値の変動の [平均+2× 標準偏差] は15.6mmであった。日本における感染の診断基準である基礎値から10mm以上の増大を示したのは, 二段階法実施40名中4名であり, うち1名は発病者であった。感染の可能性が高い状況では10mm以上, そうでない場合にも, 二段階法から15mm以上の反応の増大があれば強く感染を疑うべきである。

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