結核
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直腸吸収改善を目的として製剤改良したリファンピシン坐剤の検討
滝 久司小川 賢二二改 俊章
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2008 年 83 巻 6 号 p. 451-456

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抄録

〔目的〕Rifampicin(RFP)坐剤に吸収促進剤および吸収保持剤を配合し血中RFP濃度上昇を目的として製剤化したRFP坐剤の検討を行った。〔対象および方法〕対象は研究に同意した3名のヘルスボランティアとした。RFP坐剤は600mg,750mg,900mgのRFPに吸収促進剤であるカプリン酸ナトリウム坐剤重量の3%前後,吸収保持剤であるアルギン酸ナトリウムをRFP含量の25%添加した。各坐剤挿入後2時間,6時間,10時間後に採血した血清を検体として血中RFP濃度を測定した。〔結果〕Subjectno.1においてはRFP600mgを含有する坐剤で0.807μg/ml,750mgで1,093μg/ml,900mgで1.291μg/mlとなるRFPの最高血中濃度が得られた。〔考察〕本邦においてRFP注射剤が使用できないため,RFP坐剤の製剤的検討が,治療効果を示すうえでも耐性菌の出現を回避するうえでも重要な課題であった。本研究においてRFP血中濃度が1μg/mlを超えたことにより治療薬として使用可能であると考えられた。今後,さらに製剤的検討を加えて臨床的な有用性を検討していきたい。

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