顕微鏡
Online ISSN : 2434-2386
Print ISSN : 1349-0958
特集:SEMにおける信号検出と像コントラストの違い
各種SEMにおける電子の検出法と像の見え方の違い
小野 昭成柴田 昌照
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2008 年 43 巻 3 号 p. 162-165

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抄録

二次電子検出器や反射電子検出器は,対物レンズとの位置関係でSEM像の見え方に大きな影響を及ぼす.汎用形SEMで用いられているアウトレンズ検出器は強い照明効果を持つので試料表面の凹凸がわかりやすい.超高分解能SEMで用いられるTTL検出器はアウトレンズ検出器とはコントラストが大きく異なり,照明効果が弱いので凹凸がわかりにくいが,低加速電圧では,検出電子のエネルギー選択を行うことによって表面の形態情報と組成情報を分離して観察することが可能である.シュノーケル対物レンズで用いられる下方検出器では,より強い照明効果が得られるが,作動距離により照明方向が変わるので像解釈の際に注意が必要である.光軸に対称に置いた反射電子検出器の出力を演算することで,組成情報と凹凸情報を分離して観察することが可能である.アウトレンズ検出器および下方検出器の場合,検出器方向を考えないと凹凸を間違えることがある.

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© 2008 公益社団法人 日本顕微鏡学会
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